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データに見るパラグアイの物価[2007年版] [パラグアイの物価]

さて、そうこうしている間に今年も、「マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング」による、“世界各都市格付け調査”、じゃなかった、「世界生計費調査 – 都市ランキング–」 発表の季節がやって参りました。今日は、2005年および2006年版調査結果の記事(いずれも[パラグアイの物価]カテゴリー内)に続き、先日発表された、2007年版の調査結果についてご紹介しようと思います。


アメリカのNYに本社を置く世界最大級の組織・人事コンサルティング会社「マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(以下:MHRC)」が毎年行っているこの調査は、海外駐在員が各都市で購入する生活必需品の価格や交通費などのサービスに関する費用から、為替や景気の変動に至るまで幅広く調査・比較し、その結果をNYを100とした指数で示したもので、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当などを設定するのに幅広く利用されています。今年も前年と同じ条件で、世界143都市における海外駐在員の生計費について調べたところ、生計費が最も高い都市は前年と同じモスクワで、2位は前年5位のロンドン、3位は前年の2位からワンランクダウンした韓国のソウルであることが分かったそうです。そして、上位は入れ替わったものの、143都市中で生計費が最も低いのは、2004、2005、2006年に引き続き、2007年もパラグアイの首都アスンシオンという結果になりました。・・・ということで、2007年も無事ビリの座をキープ! やったねアスンシオン、おめでとう!! パチパチパチ(拍手) 



              世界生計費調査結果 TOP5(および最下位)

2007年 1.モスクワ 2.ロンドン 3.ソウル 4.東京 5.香港 ・・・・・・・・・ 143.アスンシオン2006年 1.モスクワ 2.ソウル 3.東京 4.香港 5.ロンドン ・・・・・・・・・ 144.アスンシオン2005年 1.東京 2.大阪 3.ロンドン 4.モスクワ 5.ソウル ・・・・・・・・・ 144.アスンシオン2004年 1.東京 2.ロンドン 3.モスクワ 4.大阪 5.香港  ・・・・・・・・・ 144.アスンシオン 

※MHRC調べ
※ジンバブエの首都ハラーレは、ジンバブエ国内の厳しい経済危機により物価の比較が困難なため、2007年はランキングから除外


MHRCによると、今年は為替レートの変動、特に米ドルの下落とユーロの上昇の影響により、ランキングに大きな変化が見られたそうですが、相変わらずビリの座はアスンシオンがガッチリ握って離しません。なお、1位になったモスクワの指数は、NYの100に対して134.4。指数50で最下位のアスンシオンの2.5倍以上の生計費がかかることになるのだそうです。2.5倍というと相当違うように感じますが、昨年は1位とビリの間に約3倍の差があったことからもわかるように、世界で最も物価の高い都市と、最も物価の低い都市の差は、徐々に縮まりつつあるのだとか。ちなみに、143位のアスンシオン(指数50)のほか、順位の低い都市としてリストアップされたのは、パキスタンのカラチ(142位/指数56.1)、エクアドルの首都キト(141位/指数56.3)、ウルグアイの首都モンテビデオ(140位/指数58.4)。う~ん、ビリとブービーの差、ちょっと開きすぎじゃないですか? こりゃ来年もビリの座はアスンシオンで確定かな。

この順位をはじき出すために、MHRCでは、各都市の食料、衣類、家庭用品をはじめ、住居や交通にかかる値段から、娯楽費用などをも含む200品目ものコストを調べ上げているそうで、もちろんその全てを無料で見ることはできないものの、主要20都市の音楽CDの値段やコーヒー1杯の価格などを比較した簡単なリストで良ければ、マーサージャパンのHPで、誰でも閲覧可能です。「寝室2部屋、家具なし高級アパートの賃料1ヶ月分」はモスクワやNYを抑えて東京が1位、「バス・地下鉄料金」はロンドンがぶっちぎりの1位で(ロンドンの地下鉄料金が高いのは有名ですね)、「音楽CD1枚」の値段はブエノスアイレスの次に東京が安く、「海外の日刊新聞1部」になると東京が最も安くモスクワがダントツで高い、などなど、なかなか面白いので、興味のある方はぜひそちらを見てみてください。


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「割安なもの」と「割高なもの」 [パラグアイの物価]

前回、パラグアイでのモノの値段の見方として、「グァラニーの値段からゼロを一つ取り、通貨単位を円に置き換えると、日本人の金銭感覚として最もピンと来る値段になる」という、名づけて「10分の1の法則」と、その具体例をご紹介しました。今回は、この法則に当てはまらないものについてご説明して、一連のパラグアイでの物価の話は終わりにしたいと思います。

※以下に記載する日本円の金額は、グァラニーの値段からゼロを一つ取り、通貨単位を円に変えたものです。為替レートに従って円に換算した金額ではありませんので、ご注意ください。(円に換算する場合は、現在4000Gs=約100円なので、グァラニーの値段を40で割って算出してください。)

 

パラグアイで買うと割安なもの

グァラニーでの値段からゼロを一つ取った金額が、日本で同様のモノを買う場合よりも安くなるのが、パラグアイで買った方がおトクな商品であると言えます。その主なものが、パラグアイならではの特産物です。

マンゴー(中玉1個) 1500Gs → 150円
牛ロース(ブロック、100g当たり) 1586Gs → 158円
牛ヒレ肉(ブロック、100g当たり) 1850Gs → 185円

ここパラグアイでは、マンゴーは夏になると放っておいても勝手に実るので、国産マンゴーは大変お買い得で、マンゴー好きな人にはたまらないでしょう。しかしパラグアイでも年がら年中マンゴーが穫れるわけではなく、秋になるとスーパーに並ぶブラジル産のマンゴーは、他の輸入の果物(例:レッドグローブ1房 8190Gs)同様、割高になります。また、牛肉はパラグアイの主要作物であり、「人の数より牛の方が多い」と言われるこの国では、思わず目を疑うような値段で売られています。上に書いたように、あるお店では牛ロース(ブロック肉)が100g当たり1586Gsで売られていましたが、日本ではただでさえ高い牛肉の、薄切り肉はともかくブロック肉は、とても100g158円では買えません。なお、国際労働機関というところが2006年に発表したデータによると、各国における牛ヒレ肉の1kg当たりの価格は、アメリカで8.94ドル、イギリスで11.15ドル、日本が40.50ドルとのこと。上に書いたパラグアイでの価格を1kg当たりにしてドルに換算すると約3.7ドルですから、アメリカよりもはるかに安い値段で売られていることが分かります。

 

パラグアイで買うと割高なもの

グァラニーでの値段からゼロを一つ取った金額が、日本で同様のモノを買う場合よりも高くなるのが、パラグアイでの高級品です。それらには、以下のような共通点があります。

1.パラグアイに住む外国人向けの商品(日本食材など)


日本製そば(5束入り) 26000Gs → 2600円
ブラジル製そば(500g入り) 15800Gs → 1580円
パラグアイ製納豆 8000Gs → 800円
パラグアイ製豆腐 4000Gs → 400円

国産の食料品はおおむね安いここパラグアイで、一様に高値で取り引きされているのが、地元の人はほとんど食べない、外国人(および外国から移住して来た人)向けの食料品です。写真に写っているブラジル製のそばも充分高いですが、日本製のそばは飛び抜けて高価ですね。なお、パラグアイ製の豆腐は中国食材のお店で、それ以外のものは、アスンシオンに1軒だけある日本食材のお店で購入しました。

2.外資系のファストフードなど

写真下は、ここパラグアイでもフランチャイズ展開をしている、アメリカの大手ハンバーガーチェーン「バーガーキング」のメニュー。左側に写っている“ワッパー”(バーガーキングの最もシンプルなハンバーガー)の値段を見てみます。

ワッパー単品 11500Gs → 1150円
ポテトM・ドリンクMのセット 15900Gs → 1590円
ポテトL・ドリンクLのセット 18400Gs → 1840円

グァラニーの価格から単純にゼロを一つ取ると、日本では考えられない高値になります。以前ダンナが取引先のパラグアイ人男性に、このバーガーキングのセットをご馳走した際、その若い男性は「ウマイ、ウマイ」を繰り返し、感激しきりだったとか。まぁ、とにかく値段が高いので、よほど裕福でない限り、そうそう食べられないのかもしれません。街の軽食屋さんが作って売っているハンバーガーは、単品で1500~2000Gs前後ですから、これと比べていかにバーガーキングが割高かがお分かり頂けると思います。なお、パラグアイにはマクドナルドの店舗もあり、バーガーキングよりは価格設定が若干低く抑えられている(ビッグマック単品 5500Gs、チーズバーガー単品 3000Gs)ものの、日本のような「お手軽ランチ」の代名詞的な存在とはほど遠く、やはり富裕層や、パラグアイに住む外国人にターゲットを絞っている感じがします。

写真上は、アスンシオンのショッピングセンター内にあるマクドナルドのお店。バイトのお嬢さんたちが一生懸命働いている様子は、日本と何ら変わりません。

3.生活必需品ではない、趣味に関するもの

カメラのフィルム(コニカミノルタ・36枚撮り) 11000Gs → 1100円
同時プリント代(36枚撮りの場合) 47200Gs → 4720円

フィルム+現像・プリント代がこんなに高いとなると、一昔前の日本のように、フィルムカメラで気軽に撮って現像に出すということは、到底できそうにありません。しかも、個人経営の現像屋さんの中には、あまり仕上がり品質にこだわらないのか、ピント合わせが甘かったり、プリントの色味が明らかに変だったりする店があり、値段に見合った仕事をしているとは思えないケースが多いのが現状です。

 

最後に、「高そうな気がしたのに、意外と安かったもの」としてご紹介しておきたいのが、デジカメやパソコンなどのデジタル機器。ゼイタク品かつ輸入品なので、日本での価格の2倍ぐらいするのかと思いきや、そんなベラボウな価格設定にはなっておらず、あくまでシロウト目による判断ですが、高くても日本の3割増し前後の値段で収まっているように見えました。これは、単純に「高くし過ぎると売れない」からであり、「パラグアイの富裕層なら買える」くらいの値段に設定されているのだと思います。

そして、「安そうな気がしたのに、意外と高かったもの」として、とっさに思い浮かぶのが卵です。卵はパラグアイで生産されている食料品なのにもかかわらず、他の国産食品に比べて割高な印象を受けました(6個入り 2230Gs)。しかし、前回のブログに写真を載せたランチのオムレツ(6000Gs)が、同じお店の他のメニューと同等の値段だったことから見ても、おそらくパラグアイの卵が高いわけではなく、「物価の優等生」と呼ばれる日本の卵(ここ30~40年間ほとんど値段が上がってないらしい)が特別安いのではないかと想像しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

5回にわたって長々と、パラグアイのお金と物価の話におつき合い頂きました。「雰囲気だけでもつかんでもらえれば」と思って書き始めましたが、物価の話題というのはシロウトには何とも難しく、「日本より安い」「日本より高い」といった感覚的な視点でしか語れなかったのが情けなく、また残念です。こういった難しいテーマは、書いている間中ずっと「これで合っているのだろうか?」という不安がつきまとい、気苦労が多いので、次回からはもっと分相応なテーマに絞っていきたいと思います。


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10分の1の法則 [パラグアイの物価]

パラグアイの通貨グァラニー(Gs)と円のレートは、前回も書いたとおり、現在4000Gs=約100円。グァラニーの値段を40で割ったものが、日本円の値になる計算です。しかしそうすると、パラグアイで1000Gsの瓶コーラは日本円でたったの25円になり、モノの値段が大変安く感じられるのですが、これはあくまで通貨として強い円に置き換えているためであって、現地の人は、私が思うように「安い」とは感じていないはずです。そのため、グァラニーの値段を40で割る方法では、いつまでたってもモノの値段に現実味が感じられず、「これはパラグアイの人にとっては、日本でのいくら位の感覚なんだろうか」という疑問が、買い物のたびに心に引っかかっていました。

そんなある日、ダンナの勤め先で、男性陣による“恐妻自慢”が行われたそうで(ホントに「何やってんの?」って感じですが)、その際、とあるパラグアイ人の中年男性が、「俺なんか、毎日小遣いとして10000Gs持たされるだけなんだぞ?」とボヤいていたと聞きました。「1万」と聞くと結構な金額のようですが、日本円に換算すると約250円。けれども、「1日250円じゃあ、立ち食いそばだって食べられないよ・・・」なんて心配はご無用。こちらは物価が安いので、日本で使う250円よりは、はるかに使いでがあるのです。大体目安として、コペティン(パラグアイの定食屋さん)で昼食を食べて、タバコかスポーツ新聞を買ってトントンくらいの金額です。もし日本のサラリーマンが同様に、定食屋さんでお昼を食べて、タバコまたは新聞を買った場合、かかる費用は・・・? どうでしょう、地域にもよりますが、だいたい1000円といったところではないでしょうか。

このことから、「感覚的にみた場合、10000Gsは日本での1000円位に当たるのではないか」と考えるようになり、その結果として編み出したのが、今回紹介する、その名もズバリ「10分の1の法則」。つまり、「グァラニーの値段からゼロを一つ取り、通貨単位を円に置き換えると、日本人の金銭感覚として最もピンと来る値段になる」というものです。まぁ、「法則」とは名ばかりで、経済学的には本来こういったものは、インフレ率や消費者物価指数、為替レートなどを掛けたり割ったりして導き出すのでしょうけれど、そういった小難しいことはヌキにして、とりあえず以下の例をご覧ください。

  

  

グァラニーの値段からゼロを一つ取り、通貨単位を円に置き換えた場合

・写真左上から
瓶のスプライト(190ml入り) 1000Gs → 100円
チパ(パラグアイのチーズパン、小サイズ) 1000Gs → 100円
ヨーグルト(350g入り) 2000~2100Gs → 200~210円
タバコ1箱 2000~4000Gs → 200~400円
ハムとチーズのオムレツ(パン添え) 6000Gs → 600円
牛肉の煮込みライスと小サラダ(パン添え)、ミネラルウォーター 10000Gs → 1000円

・その他(写真なし)
ペットボトルのスプライト(2リットル入り) 3490Gs → 349円
缶ビール(355ml入り) 2690Gs → 269円
玉ねぎ1個 472Gs → 47円
グレープフルーツ小玉1個 1017Gs → 101円
ティッシュ(50枚入り) 850Gs → 85円
せっけん 1300Gs → 130円
フライ返し 2750Gs → 275円
コンビニエンスストアのソフトクリーム 2500Gs → 250円
中華料理(夕食・2人分) 50000Gs → 5000円
サッカー試合のチケット代 20000Gs → 2000円
バスの乗車料金 2000Gs → 200円 ※都バスの料金と同じ!

いかがでしょう。日本円に置き換えた右側の表示価格は、同様のものを日本で買う場合、実際にかかる金額とほぼ同じになっていると思いませんか? これがつまり、「10分の1の法則」なのです。


この彼女が熱心に選んでいる洋服も、日本ならさしずめ「1980円均一」といったところでしょうか。

「では、その法則は実生活にどう役立つの?」と訊かれると返事に詰まるのですが、あえて言うなら、当初は単純に日本円に換算し、「すべてが安い」と思ってデタラメに買っていたのが、この法則をあてはめることにより、「キャベツ中1玉1115Gsは、115円って感じか・・・。この値段なら“買い”だな」「このチーズ、10625Gsってことは1000円以上か・・・。結構高いから、小さめのにしておくか」など、以前より考えた上で、賢く買い物ができるようになったことぐらいでしょうか? また、そうやって値段を見るうちに、「日本では、もっと安い値段で売っている」、また「日本では絶対、こんな値段では買えない」という、この法則に当てはまらないものが多数あることにも気づきました。この、日本よりパラグアイで買った方が割高なもの、また、反対にパラグアイで買った方が割安なものについては、長くなりますので次回に譲ることにします。


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生活雑貨と食料品の価格例 [パラグアイの物価]

前回・前々回と2回にわたり前振りが長くなりましたが、本題はここから。「パラグアイでは何が、どれぐらい安いのか」の具体的な例を挙げていきます。まずは、生活雑貨から。 

 
写真左から
プラスチック製のボトル : 3090Gs〈約80円〉
プラスチック製のコップ : 1470Gs〈約35円〉
歯ブラシ : 3000Gs〈約75円〉
歯磨き(90g) : 4020Gs〈約100円〉
ティッシュ(50枚入り) : 850Gs〈約20円〉
洗濯洗剤(400g) : 4250Gs〈約105円〉・・・・・・・・・合計 約415円

ざっと見た感じでは、日本の1/2~1/3ぐらいの価格設定に思えるのですが、いかがでしょうか。この中でパラグアイ製のものはティッシュと洗濯洗剤のみで、それ以外はすべてブラジル製。これは単純に、市販されている生活雑貨の中でパラグアイ製品そのものの占める割合が少ないためで、特に工業製品はブラジル製が多く、次いでアルゼンチン製をよく目にします。やはり自国で生産する力がないということなのでしょう、全体的に輸入品の多い工業製品は、日本で買うよりは安いものの、パラグアイで売られている他の生活必需品に比べて少し割高なように感じました。

生活雑貨よりも安いのが、食料品です。下の写真は、以前スーパーマーケットで買った、スパゲティなすミートソースの材料です。


写真左から
スパゲティ(400g) : 1735Gs〈約45円〉
牛ひき肉(140g) : 1211Gs〈約30円〉
玉ねぎ1個 : 326Gs〈約8円〉
バジル1束 : 413Gs〈約10円〉
ナス(大)1個 : 788Gs〈約20円〉
ブイヨンキューブ1個 : 350Gs〈約9円〉
トマトピューレ(520g) : 2848Gs〈約70円〉
モッツァレラチーズ(220g) : 6192Gs〈約155円〉・・・・・・・・・合計 約345円

比較的高いトマトピューレとモッツァレラチーズ(いずれも輸入品)を除いた合計金額は約120円、この2点を加えても350円に満たない計算です。同様のものを東京の一般的なスーパーで揃えたら・・・、そうですね、1500円前後(パラグアイでの価格の約4倍)といったところでしょうか? パラグアイでは国産の食品が総じて安く、私はたいていスーパーマーケットで買いますが、市場や個人商店などでは、スーパーよりもさらに安い値段設定になっているケースが多いようです。

ところが、安いのはある意味当たり前で、2005年の世界銀行のデータによると、パラグアイの1人当たりの国民総所得(GNI)は、日本の38,980ドルに対し、たったの1,280ドルであるとのこと。日本のわずか1/30となると、私が「安い」と感じるモノも、現地の人にとっては決して気軽に買える値段ではないのだろうと、少し複雑な気持ちになります。日本円やアメリカドルなどの強い外貨を持ってパラグアイへ行けば、こちらで相当優雅な暮らしができることは確かですが、パラグアイの日系人の方がおっしゃるには、いくらパラグアイの物価が低くても、こちらではそれに比例してお給料も安いので、グァラニーで貰ってグァラニーで払っている限り、モノの安さを実感することはないのだそうです。

物価の高い国から来て、強い通貨の円に換算してモノの値段を判断している限りでは、こちらの物価が実のところどうなのか、また、一つ一つの品物が日本でのいくら位の感覚で売り買いされているのかといったことまでは見えてきません。また、今回は生活雑貨と食料品の安い見本を挙げましたが、パラグアイで売られているすべての品物がおしなべて安いわけではなく、中には日本で買うよりも割高なものもあるのです。それについては、次回で詳しくご説明したいと思います。


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パラグアイのお金と為替レート [パラグアイの物価]

パラグアイでのモノの値段について書く前に、簡単にパラグアイのお金に関する基本情報をご紹介しておこうと思います。パラグアイの通貨単位はグァラニー(Gs)で、お札は1000、5000、10000、20000、50000、100000Gsの6種類。こちらパラグアイは恒常的なインフレ状態にあるため、貨幣の価値が大変低く、お札にしてもモノの値段にしても、日本に比べてゼロが多く並ぶのが特徴です。為替レートは2007年5月現在で、100円=約4000Gs、1ドル=約5000Gsとなっています。

 
写真左上は、1000Gs紙幣の裏表。「1000」というと、結構使いでのありそうな金額に見えますが、実際に1000Gsで買えるのは、瓶入りコーラ(190ml入り)1本か、パラグアイのチーズパン“チパ”の小サイズ1個がやっと。そのため、何を買うにも当然お札を使うことになるのですが、最小紙幣であるこの1000Gs札は、日本の1000円札と違ってまったく大事にされておらず、変色してくしゃくしゃになったもの、またセロテープで補修されたものなどがたくさん出回っています。まぁ、1000Gsは日本円に換算するとたったの約25円ですから、そんな扱いを受けているのも分からないでもありません。

写真右上の硬貨は、銀色の方が50Gs硬貨、金色のものが100Gs硬貨の、それぞれ裏と表です。硬貨は1、5、10、50、100、500Gsの6種類があるそうですが、10Gs以下のコインはまず使われていないようで、私は今まで見たことがありません。それも仕方のない話で、1、10Gsはそれぞれ日本円で約0.025円と、約0.25円。ほとんどお金としての価値がないため、買い物の際も1Gs単位での金銭の受け渡しはせず、端数は適宜切り捨てるか切り上げられます。よって、写真右上の50Gs硬貨が、お釣りでもらういちばん小額のコインになります。

為替は2007年5月現在で、100円=約4000Gs、1ドル=約5000Gsのレートですが、2005年12月時点では、100円=約5000Gs、1ドル=約6000Gsだったので、円やドルに対するグァラニーの価値が、この約1年半で若干上がったことになります。しかし、パラグアイの経済が上向いているのかというと必ずしもそうではなく、ダンナの仕事仲間のパラグアイ人男性によると、「アメリカなどに出稼ぎに行っていた人が持ち帰った外貨が、国内にあふれているからではないか」とのこと。パラグアイは人口約600万人の小さな国ですから、その程度のことで為替レートが変わるというのも、案外起こり得る話なのかもしれません。なお、そのためかどうかは不明ですが、アスンシオンでは昨年まで2100Gsだったバス代が、2000Gsに下がるという不思議な現象が起きました。バスや電車などの料金というのは常に高くなるもので、下がることはないと思い込んでいただけに、これは本当に意外な出来事でした。

お札にしてもモノの値段にしても、日本で見慣れた価格よりゼロの数が多いため、すべてが高額に見えてしまい、未だにこちらの金銭感覚になじめません。「10000」と書かれたお札を使うのは、なんとなく勇気がいるものですが、日本円に換算すれば、10000Gsはたったの250円。「2万も持っていけば大丈夫だろう」と思ってスーパーマーケットに行くと、あれこれ買い物をしているうちにお金が足りなくなってしまうのも、考えてみれば当たり前で、どんなにモノが安いとはいえ20000Gsは日本円で500円程度ですから、買える品物も自然と限られてきます。また、日本円でたった数百円のものを、「10000? 高い!」と見た目の金額にダマされて、買わずに帰ってきてしまったり、「こっちのお店の方が2000Gsも安い!」と喜んでみたものの、日本円に換算すると、実際は40円程度しか違わなかったり・・・。「数字のマジック」と言うとオオゲサですが、ケタが違うがために感じる違和感は、なかなか消えてなくなりません。


こちらの写真を見れば、私が常日頃感じている違和感を理解してもらえるのではないでしょうか。写真上は、ショッピングセンターのウィンドウ。日本円の感覚でこの値札を見ると、「ケタが違う!」と頭がクラクラしてくると思います(ダンナも初めてパラグアイに着たとき、紳士物のシャツが58000Gsで売られているのを前にして、思わず目を疑ったと言っていました)。なお、高額な時計やデジタル家電、自家用車などは、グァラニー表示ではあまりにもゼロが多く分かりにくいため、金額の高い物はドルに換算して表示するケースが多いようです。なお、1995年の資料では1ドル=約2000Gsとあり、十数年でドルに対するグァラニーの価値が半分以下に下がったわけですが、インフレでゼロが極端に多くなったとき、「いっせーの、せ!」でみんな同時にゼロを3つ取ったりする、いわゆる“デノミ”は、隣国ブラジルではたびたび行われ、同時に通貨単位も変更されているのに対し(現在のブラジルの通貨単位レアルは1994年から使用)、パラグアイでは近年デノミは実施されていないのだそうです。

なお、朝日新聞にも載ったらしいので、既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、お金の話ついでに、昨年パラグアイ経済に起こった、とある事件についてご紹介します。2006年10月、フランスで印刷され、パラグアイへの輸送途中だった50000Gsの新札200箱のうち5箱が、アスンシオンに着いた時点で、消えてなくなっていたというのです。盗まれたのは、途中輸送船が寄港したブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの恐らくどこかで、被害額はなんと、日本円にして約2億7000万円!! これを受けてパラグアイ財務当局は、この50000Gsの新札すべてを無効にするという声明を、急遽発表したのだそうです。


写真上が、パラグアイ中央銀行による、「使用できない50000Gs紙幣の見分け方」。赤丸で囲ってある箇所が、今回無効になった50000Gs紙幣の特徴で、「番号がCから始まる」「2005年のシリーズ」「左端に星マークがある」などの点が示されています。今後、色や柄を変えた新札の発行を検討しているそうですが、自国で印刷する技術もないような国なのに、無効にした50000Gs紙幣の印刷代や今後の対応も含めてとんだ出費となり、この痛手はさぞ大きいだろうと思われます。


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データに見るパラグアイの物価 [2006年版] [パラグアイの物価]

これから数回にわたり、パラグアイのお金や物価にまつわる話をしていきたいと思います。まず最初に、以前ご紹介した(2005/12/20 の記事)、2005年3月時点の、あるコンサルティング会社による首都アスンシオンの世界の中での位置づけが、その後1年で変化したかどうかについて見てみましょう。

2006年3月、アメリカのNYに本社を置く世界最大級の組織・人事コンサルティング会社の「マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(MHRC)」が、世界144都市における海外駐在員の生計費について前年と同じ条件で調べたところ、生計費が最も高い都市は前年4位だったモスクワで、2位はソウル、3位は前年の1位から後退した東京であることが分かったとのこと。そして、上位は入れ替わったものの、144都市中で生計費が最も低いのは、2004、2005年に引き続き、2006年もパラグアイの首都アスンシオンという結果になりました。・・・ということで、2006年も無事ビリをキープ! おめでとう、アスンシオン! パチパチパチ(拍手)。 


              世界生計費調査結果 TOP5(および最下位)

2006年 1.モスクワ 2.ソウル 3.東京 4.香港 5.ロンドン ・・・・・・・・・ 144.アスンシオン2005年 1.東京 2.大阪 3.ロンドン 4.モスクワ 5.ソウル ・・・・・・・・・ 144.アスンシオン2004年 1.東京 2.ロンドン 3.モスクワ 4.大阪 5.香港  ・・・・・・・・・ 144.アスンシオン 

                        ※MHRC調べ。2007年の調査結果は、現時点では未発表 


このランキングは、海外駐在員が各都市で購入する生活必需品の価格や交通費などのサービスに関する費用から、為替や景気の変動に至るまで幅広く調査・比較した結果を、NYを100とした指数であらわし、高い順に並べたもの。2006年で1位となったモスクワの指数は123.9なので、最下位で指数43.5のアスンシオンの、ほぼ3倍の生計費がかかることになるのだそうです。

海外拠点などを持つ企業では、そこへ派遣する社員に対し、大抵何らかの手当(海外赴任手当など)を支給します。その際、駐在員全員に一律の額を支給してしまうと、都市Aに駐在している人はお金が余ってウハウハなのに、物価の高い都市Bで同レベルの生活をしている別の社員は毎月お金が足りなくて困っている、なんていうことになりかねません。そんなことのないように、また手当に関するムダを省くため、各企業はこの調査結果を利用して、海外駐在員個々への適正な支給額を算出しているのだろうと思われます。

この調査結果から判断すると、物価の低いアスンシオンに駐在する社員は、世界144都市のどこに派遣されている社員よりも、最も安い手当で問題ないということになります。「アスンシオンに駐在している社員」というと、まさにうちのダンナがそれに当たり、2006年の東京の指数(119.1)はアスンシオン(43.5)の2倍以上ですから、極端な話、会社から「日本にいるときの半分の給料でも、充分やっていけるよね?」と言われても、反論できない環境にあるワケで・・・。まぁ有難いことに、今のところそんなキビシイことは言われずに済んでいるようではありますが。

では、結局のところ何がどれだけ安いのか、日本と比べてどうなのか、また、シロウトの視点で見たパラグアイでのモノの値段とお金について、次回以降で詳しく述べていきたいと思います。

※マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングの日本語HPには、2006年のランキング上位50都市の他、主要都市における音楽CD代やコーヒー代などを比較した表が掲載されています。コーヒー1杯の値段は、本場アルゼンチンのブエノスアイレスが安く北京では高いのが、ファストフード店のハンバーガーのセットになると、北京が安くアテネが高いなどといったことが見て取れるので、興味のある方はぜひそちらもご覧ください。なお、今年も「2007年世界生計費調査結果」の発表時期が近づいて参りました。2007年も、アスンシオンはビリの座を守れるかどうか? こちらも要注目です。


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データに見るパラグアイの物価 [2005年版] [パラグアイの物価]

本ブログの左上に、タイトルと並んで「世界一物価の安い都市」と書かれていることにお気づきですか? ここでは分かりやすく「物価」としましたが、本当は「世界一生計費の低い都市」なのだとか。今回はこのことについて、簡単にご説明してみたいと思います。

アメリカのNYに本社を置く、組織・人事コンサルティング会社のマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングによると、世界144都市における海外駐在員の生計費調査を実施した結果、生計費が最も高い都市は3年連続で東京で、2位は大阪、3位・4位はそれぞれロンドン、モスクワであり、生計費が最も低い結果となったのは、昨年同様にパラグアイの首都アスンシオンだった、とのこと。

これは、NYを100とした指数で各都市の生計費を順位づけしたもので、1位となった東京の指数は134.7であり、最下位で指数40.3のアスンシオンの約3倍の生計費がかかることになるのだとか。

「東京の物価ってそんなに高い?」と、私などはつい思いますが、「海外駐在員の生計費」というところがミソですね。都内でも比較的物価の安いエリアに住んで、近所のスーパーや個人商店の中からさらに安い店をリサーチし、どの商品をいつどこで買うべきかを知っているからこそ、毎月そこそこの出費で抑えられるのであって、広尾や麻布辺りに住み、毎日紀ノ国屋や明治屋でお買い物をしている駐在員の奥サマ方には、夫婦2人で1日の食費1000円以内なんて、はっきり言って到底できない芸当でしょう。・・・なんて、あまり威張って言える話でもないですが。

幸か不幸かここアスンシオンには「駐在員向けの高級スーパーマーケット」なるものなどあろうはずもなく、お買い物をするのは地元のスーパーや市場、個人商店か、あるいは日本でいうコンビニ的なお店のいずれかになります。その中でも若干の値段の差はあるものの、確かに何を買っても安いです。実感としては、おおよそ日本の1/3~1/5ぐらいの値段かな、といった感じです。

何がどれだけ安いかについては、おいおいご報告していこうと思いますが、前回のパラグアイ滞在中に一番驚かされたのが、ずばりタバコの値段です。お世話になっている会社へのお土産にしようと思い、近所のガソリンスタンド併設のコンビニまで買いに行ったところ、アルゼンチン産のラッキーストライクが、なんと値段を聞いてびっくりの、1カートン約700円。後日帰国する際、アスンシオンの空港の免税店をのぞいてみたら、まったく同じタバコが1カートン14ドルで、市内の約倍の値段設定になっていました。「免税店の方が街で買うよりも高いって、どういうこと??」と思っていたら、あとで聞いたところによると、パラグアイではニセモノのタバコ、いわば“タバコの海賊版”が大量に出回っているのだとか(私が買って帰ったものも、もしかするとソレだったのかもしれません・・・)。しかし、“タバコの海賊版”って、どんな味がするんでしょう? 本物よりは味は落ちるんでしょうけど、もしタバコが吸えるなら、それはそれでちょっと試してみたいような気もします。


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