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「割安なもの」と「割高なもの」 [パラグアイの物価]

前回、パラグアイでのモノの値段の見方として、「グァラニーの値段からゼロを一つ取り、通貨単位を円に置き換えると、日本人の金銭感覚として最もピンと来る値段になる」という、名づけて「10分の1の法則」と、その具体例をご紹介しました。今回は、この法則に当てはまらないものについてご説明して、一連のパラグアイでの物価の話は終わりにしたいと思います。

※以下に記載する日本円の金額は、グァラニーの値段からゼロを一つ取り、通貨単位を円に変えたものです。為替レートに従って円に換算した金額ではありませんので、ご注意ください。(円に換算する場合は、現在4000Gs=約100円なので、グァラニーの値段を40で割って算出してください。)

 

パラグアイで買うと割安なもの

グァラニーでの値段からゼロを一つ取った金額が、日本で同様のモノを買う場合よりも安くなるのが、パラグアイで買った方がおトクな商品であると言えます。その主なものが、パラグアイならではの特産物です。

マンゴー(中玉1個) 1500Gs → 150円
牛ロース(ブロック、100g当たり) 1586Gs → 158円
牛ヒレ肉(ブロック、100g当たり) 1850Gs → 185円

ここパラグアイでは、マンゴーは夏になると放っておいても勝手に実るので、国産マンゴーは大変お買い得で、マンゴー好きな人にはたまらないでしょう。しかしパラグアイでも年がら年中マンゴーが穫れるわけではなく、秋になるとスーパーに並ぶブラジル産のマンゴーは、他の輸入の果物(例:レッドグローブ1房 8190Gs)同様、割高になります。また、牛肉はパラグアイの主要作物であり、「人の数より牛の方が多い」と言われるこの国では、思わず目を疑うような値段で売られています。上に書いたように、あるお店では牛ロース(ブロック肉)が100g当たり1586Gsで売られていましたが、日本ではただでさえ高い牛肉の、薄切り肉はともかくブロック肉は、とても100g158円では買えません。なお、国際労働機関というところが2006年に発表したデータによると、各国における牛ヒレ肉の1kg当たりの価格は、アメリカで8.94ドル、イギリスで11.15ドル、日本が40.50ドルとのこと。上に書いたパラグアイでの価格を1kg当たりにしてドルに換算すると約3.7ドルですから、アメリカよりもはるかに安い値段で売られていることが分かります。

 

パラグアイで買うと割高なもの

グァラニーでの値段からゼロを一つ取った金額が、日本で同様のモノを買う場合よりも高くなるのが、パラグアイでの高級品です。それらには、以下のような共通点があります。

1.パラグアイに住む外国人向けの商品(日本食材など)


日本製そば(5束入り) 26000Gs → 2600円
ブラジル製そば(500g入り) 15800Gs → 1580円
パラグアイ製納豆 8000Gs → 800円
パラグアイ製豆腐 4000Gs → 400円

国産の食料品はおおむね安いここパラグアイで、一様に高値で取り引きされているのが、地元の人はほとんど食べない、外国人(および外国から移住して来た人)向けの食料品です。写真に写っているブラジル製のそばも充分高いですが、日本製のそばは飛び抜けて高価ですね。なお、パラグアイ製の豆腐は中国食材のお店で、それ以外のものは、アスンシオンに1軒だけある日本食材のお店で購入しました。

2.外資系のファストフードなど

写真下は、ここパラグアイでもフランチャイズ展開をしている、アメリカの大手ハンバーガーチェーン「バーガーキング」のメニュー。左側に写っている“ワッパー”(バーガーキングの最もシンプルなハンバーガー)の値段を見てみます。

ワッパー単品 11500Gs → 1150円
ポテトM・ドリンクMのセット 15900Gs → 1590円
ポテトL・ドリンクLのセット 18400Gs → 1840円

グァラニーの価格から単純にゼロを一つ取ると、日本では考えられない高値になります。以前ダンナが取引先のパラグアイ人男性に、このバーガーキングのセットをご馳走した際、その若い男性は「ウマイ、ウマイ」を繰り返し、感激しきりだったとか。まぁ、とにかく値段が高いので、よほど裕福でない限り、そうそう食べられないのかもしれません。街の軽食屋さんが作って売っているハンバーガーは、単品で1500~2000Gs前後ですから、これと比べていかにバーガーキングが割高かがお分かり頂けると思います。なお、パラグアイにはマクドナルドの店舗もあり、バーガーキングよりは価格設定が若干低く抑えられている(ビッグマック単品 5500Gs、チーズバーガー単品 3000Gs)ものの、日本のような「お手軽ランチ」の代名詞的な存在とはほど遠く、やはり富裕層や、パラグアイに住む外国人にターゲットを絞っている感じがします。

写真上は、アスンシオンのショッピングセンター内にあるマクドナルドのお店。バイトのお嬢さんたちが一生懸命働いている様子は、日本と何ら変わりません。

3.生活必需品ではない、趣味に関するもの

カメラのフィルム(コニカミノルタ・36枚撮り) 11000Gs → 1100円
同時プリント代(36枚撮りの場合) 47200Gs → 4720円

フィルム+現像・プリント代がこんなに高いとなると、一昔前の日本のように、フィルムカメラで気軽に撮って現像に出すということは、到底できそうにありません。しかも、個人経営の現像屋さんの中には、あまり仕上がり品質にこだわらないのか、ピント合わせが甘かったり、プリントの色味が明らかに変だったりする店があり、値段に見合った仕事をしているとは思えないケースが多いのが現状です。

 

最後に、「高そうな気がしたのに、意外と安かったもの」としてご紹介しておきたいのが、デジカメやパソコンなどのデジタル機器。ゼイタク品かつ輸入品なので、日本での価格の2倍ぐらいするのかと思いきや、そんなベラボウな価格設定にはなっておらず、あくまでシロウト目による判断ですが、高くても日本の3割増し前後の値段で収まっているように見えました。これは、単純に「高くし過ぎると売れない」からであり、「パラグアイの富裕層なら買える」くらいの値段に設定されているのだと思います。

そして、「安そうな気がしたのに、意外と高かったもの」として、とっさに思い浮かぶのが卵です。卵はパラグアイで生産されている食料品なのにもかかわらず、他の国産食品に比べて割高な印象を受けました(6個入り 2230Gs)。しかし、前回のブログに写真を載せたランチのオムレツ(6000Gs)が、同じお店の他のメニューと同等の値段だったことから見ても、おそらくパラグアイの卵が高いわけではなく、「物価の優等生」と呼ばれる日本の卵(ここ30~40年間ほとんど値段が上がってないらしい)が特別安いのではないかと想像しました。

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5回にわたって長々と、パラグアイのお金と物価の話におつき合い頂きました。「雰囲気だけでもつかんでもらえれば」と思って書き始めましたが、物価の話題というのはシロウトには何とも難しく、「日本より安い」「日本より高い」といった感覚的な視点でしか語れなかったのが情けなく、また残念です。こういった難しいテーマは、書いている間中ずっと「これで合っているのだろうか?」という不安がつきまとい、気苦労が多いので、次回からはもっと分相応なテーマに絞っていきたいと思います。


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