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パラグアイ車事情 [アスンシオン点描]

下に載せた写真は、パラグアイで少しずつ撮りためてきた車の写真の一部です。ここアスンシオンでは、新しい車も時おり目にしますが、それ以上に、下の写真のようなスクラップ寸前とも思えるボロボロの車がたくさん走っているのには、毎度感心させられます。上の2台はプジョー、中央左はフォルクスワーゲン、中央右はいすゞ製。下の左はワーゲン・ビートルの改造車、その右はシトロエンではないかと思われます。いずれも相当使い込んではあるものの、別にこの場に捨ててあるわけではなく、どれも皆バリバリの現役です。自分は元々車にはあまり興味がなかったのですが、アスンシオンには日本では見かけないような車種が多いので、つい「どこの車だろう?」と気になってしまいます。

 

 

 

そこで今日は、アスンシオンでは実際に、どこのメーカーの車がどれだけ走っているのか、ひとつ調べてみることにしました。私は車についてはまったく知識がないので、自称“元・車好き”のダンナの全面協力を得て、これまで蓄積してきた“ムダな知識”をフル活用してもらうことに。調査地点は、ホテルから徒歩約5分のところに位置する、片側2車線の“ペルー通り”。交差点の角にあるコペティン(定食屋さん)の窓際の席に陣取り、約15分間に通過した車両で、メーカー名が判別できたもののみをチェックしました。以下は、通過台数の多い順に並べたブランドのランキングと、時間内に実際に目にした車種名です。(近年の自動車業界再編に伴う合併や提携・傘下は大変ややこしいので、それらはすべて無視しています。以下のリストは正しい会社名ではなく、「車に詳しくない人でも見当のつくブランド名」だと考えてください。)


1位(69台)  : トヨタ[カローラ、RAV4、ハイエース、マークⅡ、ランドクルーザー、クラウン など] 2位(64台)  : 日産[サニー、ダットサン、セレナ、テラノ、サファリ]

3位(49台)  : 三菱[デリカ、パジェロ]

4位(33台)  : Mercedes-Benz〈独〉
5位(29台)  : Volkswagen〈独〉[ビートル、ワーゲンバス]
6位(19台)  : Chevrolet〈米〉
7位(14台)  : Peugeot〈仏〉
8位(13台)  : FIAT〈伊〉、マツダ[ファミリア、フェスティバ]
10位(12台) : スズキ[カルタス、エスクード]
11位(10台) : いすゞ
12位(9台)  : KIA〈韓〉、HYUNDAI〈韓〉、Ford〈米〉[エスコート]
15位(5台)  : Renault〈仏〉、ホンダ[シビック、シティ]
17位(4台)  : VOLVO〈スウェーデン〉
18位(3台)  : Rover〈英〉「ミニ」、Chrysler〈米〉[ジープ、チェロキー]
20位(2台)  : ダイハツDAEWOO〈韓〉、BMW〈独〉、Land Rover〈英〉[レンジローバー]
24位(1台)  : Audi〈独〉、Alfa Romeo〈伊〉

※この時間内では見かけなかったものの、他で目にしたメーカーとしてはCitroën〈仏〉があり、またダンナによると、スバル[インプレッサ]も時々走っているそうです。


常日頃、「日本車も結構多いな~」とは思っていたものの、予想をはるかに上回り、1~3位を日本の自動車メーカーが独占するという結果になりました。台数を見ても、日本の車が全体の2/3近くを占めています。いや~、日本車、強いですね!

4位のメルセデス・ベンツは、日本では高級車のイメージが強いですが、同時に世界最大のトラックメーカーでもあるそうで、ここでカウントされたのも、ほとんどがトラックやバスなどの商用車でした。5位のフォルクスワーゲンは、日本でもおなじみのビートルの他、上に写真を載せた、いわゆる“ワーゲンバス”をよく見かけます。南米諸国はアメリカと陸続きで、距離的にも近いため、シボレーフォードなどアメリカの車が走っているのは至極もっともなのですが、ヨーロッパの車が多いのはなぜかと思ったら、フォルクスワーゲンプジョーフィアットルノー辺りのメーカーは、アルゼンチンやブラジル、チリなどに工場を持っているそうで、中でもフィアットフォルクスワーゲンと並びブラジルで最もポピュラーな車なのだとか。なお、シボレーと言えば、日本では異様に車幅の広いフルサイズバンの印象が強く、「とにかくデカいアメ車のメーカー」だと思い込んでいた私は、パラグアイでシボレーのコンパクトカーを目にし、「こんな車も作ってたのか」と驚かされたことがありました。上のランキングにあるシボレーの19件や、メルセデス・ベンツの33件中には、このように色々なタイプの車が含まれているのに対し、BMWは高級路線一筋ですから、私がここで目にした2台は、パラグアイに住むほんの一握りの富裕層によって購入されたものだと思われます(時折“Z3ロードスター”などの、ものスゴい車も見かけます)。

あと、意外だったのは、日本ではあまり見かけない韓国メーカーの車が走っていること。私が知っていたのは、東京・虎ノ門に販売店のあるヒュンダイ(現代)だけで、キア(起亜)デーウー(大宇)は初耳でした。パラグアイには日系の他、韓国系の移民も多く、韓国系の人たちの間では親近感のある車なのかもしれません。見た目は結構きれいなので、「韓国車も悪くないかも」と思いましたが、パラグアイで自動車整備の仕事をされている日系人の方によると、「外見はいいけど、中身はまだまだ日本車には及ばない」のだそうです。

いかがでしょう。自分としては今回の記事が、これまででいちばん価値あるレポートになったのではないかと思うのですが・・・。なお、こちらで走っている車には2種類あり、正規の代理店を通したものと、中古車として輸入されたものとに分けられます。それについては次回、日本車を例に取ってご説明します。

 

         
写真上は、一瞬目を疑った、南米パラグアイの目抜き通りを疾走する「カンガルー特急便」。パラグアイは右側通行なので、これは左ハンドルに改造されたカンガルー便です。企業名などが日本語で書かれた中古車は、一目で「日本から来た車=性能の良い日本車」だと分かるため、あえて日本語は消さずにそのまま利用しているケースが多いのだとか(ダンナは以前、仕事先のアフガニスタンで、「○○幼稚園」と書かれたマイクロバスに、ヒゲ面のむさ苦しいおっさんが山盛り乗っているのを見たらしい)。また、日本車以外の車に、わざと漢字風の文字(実際はデタラメ)を書いて日本の中古車を装うという、大変手の込んだ偽装?をする国や地域もあるのだそうです。


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