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量り売り文化 [アスンシオン点描]

ここのところ数回にわたって、ポルキロと呼ばれる量り売り式のレストランや、お肉の量り売りのことなどについて書いてきました。お総菜やお肉は、日本でもグラム数を指定して買う小売り店が多いので、あまり珍しい感じはしないことと思います。しかし、ここパラグアイは一種の“量り売り文化”の国であり、「え? こんなものまで?」と思うような意外な商品が、いたって普通にキロ当たりの値段で販売されているのです。今日は、スーパーで見る量り売りについてご紹介してみたいと思います。

上の写真は、スーパーの野菜売場を写したもの。野菜や果物はほとんどが量り売りで、欲しい分だけビニール袋に取り、写真の左端に写っているデジタルの秤のあるカウンターまで持っていけば、係のお兄さんが手元のボタンで該当する商品を選んで秤に載せ(あらかじめ各商品のキロ当たりの値段が入力されている)、値段とバーコードを印字したシールを貼って渡してくれます。日本では、野菜や果物は1個当たり(あるいは1パック当たり、ひと山当たり)の値段で売られているものがほとんどなため、日本の奥サマ方は、大きいものや重いものを選んで買っていきますが、こちらは重さによって値段が決まるので、皆、大きさよりも鮮度を気にして選んでいる様子です。なお、細ねぎやハーブなどの軽いものは、1束ごとの値段設定になっていて、量る必要のない場合もあります。

そしてコチラ↑が、スーパーのパン売場。パンは、売場に併設された工場で焼いている場合が多く、焼き上がったものから種類別にカゴに入れ、量り売りで販売されます。ドイツパンやピタパンなど一部の外国人向け商品は、それぞれ袋に入った状態でメーカーから仕入れているため、袋単位の値段になっているようです。

そして、どこのスーパーでも必ず目にするのが、上の写真のような容器です。これには大豆や小豆、落花生、とうもろこしの実、お米、コーヒー豆、塩、砂糖、マンディオカという芋の粉、小麦粉、パスタ類などが入れられており、同様に粉石けんやペットフードの容器も置かれています。これらがいちばん量り売りらしい、量り売りの王道をいく商品ではないかと思います。ちなみに、計量に使うデジタルの秤は、100g以上ないと値段が出ないシステムらしく、私は以前、塩を少しだけ買おうとして、取ってきた量が100gに満たず、係のお姉さんに、"más"(英語で言う "more"。「もっと取ってこい」の意味)と言われて、つき返されたことがありました。この塩は1キロ当たり810Gsだったので、このときは結局110g分買って89Gs(約2円弱)!! なお、量り売りのものとあらかじめパックになった商品とでは、モノによって値段は様々のようですが、塩だけに関して言えば量り売りの方が、袋入りの商品よりもキロ当たりの値段は安かったようです。

日本では、何でもパックになって売られているため、最近何を量り売りで買ったか考えてみても、お肉やお総菜のほか、コーヒー豆程度しか思い出せません。そのため、パラグアイのスーパーでの売り方が何だかもの珍しく感じられますが、日本でも昔はお味噌やお酒、お茶葉などをはじめとした多くの商品が、量り売りで販売されていたはずです。うちは少人数家庭なので、「たくさん買ったほうがトク」という日本式の売り方は、以前からどうも納得がいきませんでしたが、パラグアイでの量り売りを見て、こんな公平なやり方があったのかと、目からウロコが落ちたような気がしました。過剰包装の商品から出る大量のゴミも、量り売りでしたら無縁です。この便利なシステムが、日本でも早く見直されて欲しいものです。


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