SSブログ

マンディオカ(前編) [本日のお買い物]

 

写真は、ここパラグアイでは非常にポピュラーな、マンディオカという名のお芋です。ゆでた状態のものと生のものを、スーパーでそれぞれ買ってみました。お皿に入っているゆでた方は207gで805Gs(約16円)、生の芋は小ぶりのサツマイモくらいの大きさですが、驚きの安さで、1本148Gs(約3円)でした。

「“マンディオカ”なんて芋、初めて聞いた」と思われるかもしれませんが、実は結構知っている人も多いはずの作物なのです。中学や高校での地理の時間、ヤムイモとかタロイモとか、ビーツとかキャッサバとか、聞いたこともない作物の名前を、どんな姿形なのか全く見当もつかないままノートに書き写した記憶、ないですか? スペイン語ではマンディオカ(mandioca)ですが、英語名は "cassava"、そう、地理の時間に覚えさせられた、あの“キャッサバ”のことなのです。10代の頃、初めて耳にする作物の名前に、見果てぬ大地への憧れを駆り立てられたものですが、まさかこんなところで対面するとは思ってもいなかっただけに、「こ、これがあの“キャッサバ”か・・・!」と大変驚かされたと同時に、長年の謎がひとつ解けたような気がしました。

ブラジル原産のマンディオカは、パラグアイ人にとって欠かせない伝統的な主食であるとともに、パラグアイ料理の材料としても広く利用されています。市場周辺の屋台などで、焼いた牛肉やソーセージにマンディオカを添えて食べている様子をよく見かけますが、この「牛肉+ゆでたマンディオカ」というのが、ここパラグアイに伝わる、最もポピュラーかつ気取らない食事のようです。

マンディオカはサトイモの仲間だそうですが、ぬめりがないので味はサトイモとは似ても似つきません。姿形が似ているため、甘みの少ないサツマイモにたとえる人が多いようですが、私は味だけで言うならサツマイモよりも、メークインなど水分の多いジャガイモの方が似ているのではないかと思いました。繊維が多いものの、食感はねっちりしていてほのかに甘く、デンプン質が豊富なため、噛んでいるとだんだんお米の味がしてくるような気がします。

以前アフリカに赴任していた旦那によると、マンディオカはアフリカでも栽培されていて、「どこの集落へ行ってもお決まりのように、大人も子供もみんな皮を剥いただけの生のマンディオカを持って、立ったままガリガリ齧っていた」そうで、「『食え』と言って渡してくれるんだけど、生のままは結構キツかった」ともらしていました。

なお、「キャッサバもマンディオカも知らない」という人でも、お菓子などに使われるタピオカはご存知なのではないでしょうか。そう、マンディオカはタピオカの原料でもあるのです。また、最近日本のパン屋さんでも見かけるようになったブラジルのチーズパン「ポンテケージョ」も、本場ブラジルではマンディオカの粉を使って作るのだとか。いずれもモチモチした食感に特徴があります。 【マンディオカ(後編)へ続く】


nice!(0) 
共通テーマ:旅行・地域(旧テーマ)

nice! 0

デモマンディオカ(後編) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。