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パラグアイで買うお肉(後編) [アスンシオン点描]

【パラグアイで買うお肉(前編)から続く】 量り売りの精肉に対して、1個単位で買えて便利なのがソーセージ類です。スーパーに行くと、大きさや色の異なるさまざまな種類のソーセージが、冷蔵ケースいっぱいに並べられており、白っぽいものや赤いもの、真っ黒なものからハーブ入りのものまで、また、小さく丸いものから細長いものまで、誠に多種多様です。こちらパラグアイでは「ソーセージ」とは言わず、小さく短いものを「チョリッソ」、ホットドッグなどに使うような細長いものを「パンチョ」と呼ぶのだと訊きました。なお、下の写真の左側に写っている黒いソーセージは、豚の血入りのものなのだとか。何でも、料理にあまり豚肉を使わないパラグアイでは、豚肉はチョリッソやパンチョの形で食べることが多いのだそうです。

日本で普通に売られているソーセージは、一つ一つがバラバラになっているのに対し、こちらのチョリッソやパンチョは、金属(魚肉ソーセージの両端についているような)や細い糸で一つ一つが区切られており、子供の頃、外国のアニメや童話の挿絵などで目にしたとおりの、数珠つなぎになった形をしています。これをお店の人が、お客の注文に応じてそのつど切り離してくれるのですが、量り売りのお肉と違い、チョリッソやパンチョは個数単位で頼めるため、欲しい種類と数だけ身振り手振りで示せばよく、そのためスペイン語が話せない私でも、どうにか買うことができるのです。

なお、日本のソーセージの多くが、人工の皮を使用しているようですが、こちらのチョリッソやパンチョは、おそらく本物の豚の腸を使っているのではないかと思っていた矢先、近所のメルカード・クワトロという市場で、とあるモノを目にしました。下の写真のこれが、チョリッソやパンチョの皮になる部分ではないでしょうか?(先日の「メルカード・クワトロ」紹介ページ中の写真の、肉屋のおばちゃんの頭上にあるのも、多分同じものだと思われます。)

前回書いたとおり、こちらでは牛肉が非常に安いので、街のレストランなどでは、ウソみたいな値段でステーキを食べることができます。旦那はいつも、「パラグアイの肉はウマイな~」とウットリしながら食べていますが、私は元々あまりお肉を食べないため、こちらの牛肉のおいしさを未だに実感できずにいます。しかし、そんな私でも素直に「おいしい」と思うのが、こちらのチョリッソやパンチョです。スーパーに行くと、あまりにもたくさんの種類があるので、いつも何となく見た目で選んでしまうのですが、どれを買ってもハズレがなく、肉の味が大変しっかりしています。特に、鶏肉売場で買ったパンチョは、鶏肉製なのか非常にあっさりしており、こういうソーセージが日本にあってもいいのではないかと思いました。

先日お話を伺ったある日系人の方は、以前日本に出稼ぎに行かれた際、冷凍したパンチョをパラグアイからわざわざ持参されたそうで、「日本の“ソーセージ”なんて、とてもじゃないけど食べられないよ。ヘンに甘くってさ・・・」とおっしゃっていました。パラグアイのチョリッソやパンチョは、つなぎ成分が少ないのか、いかにも肉そのものを食べている感じがするあたり、肉好きのパラグアイ人の好みにピッタリで、「子供のおかず用」として使われることの多い日本のソーセージとは、やはり作り方も材料も相当違っているようです。お値段は、キロ当たりでおよそ10000~15000Gs(約200~300円)なので、100グラム当たりに換算すると約20~30円。こういったものを日本で買おうとしたら・・・、どうでしょう。デパートの食品売場まで行けば手に入りそうですが、毎日気兼ねなく買えるお値段ではないはずです。パラグアイのチョリッソを、わざわざ日本へ持って行かれた方の気持ちが、パラグアイを去る日が近づくにつれ、段々理解できるようになってきた今日この頃です。


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パラグアイで買うお肉(前編) [アスンシオン点描]

先日ご紹介した“メルカード・クワトロ”という市場の写真を見て、「こんなところでは、とてもじゃないけどお肉は買えない」と寒気を覚えた方もいらっしゃることと思います。私もメルカードでお肉を買う勇気はありませんが、ここアスンシオンには近代的かつ衛生的なスーパーマーケットがたくさんあり、そこでもお肉は買えますから、心配は無用です。ただ、日本のスーパーの肉売場とは、少々様子が違っています。まずは、下の写真をご覧ください。

これは、あるスーパーの肉売場を写したもの。長さ7~8メートルの冷蔵ケースの中に、牛肉や豚肉、鶏肉の様々な部位が並べられています。日本の一般的なスーパーでは、あらかじめ適当な量にパックされたお肉が置いてあるだけですが、こちらでは牛肉や豚肉のほとんどが塊のまま置かれていて、ここで欲しい部位の量を伝えると、お店の人が切り分けてビニール袋に入れ、秤で重さを量ってから、値段シールを貼って渡してくれます(お金はレジで払います)。ほとんどが量り売りで、キロ当たりで表示されている値段はどれも大変安く、他の部位よりずっと割高な牛ロースが、キロ当たりなんと15860Gs、約320円という驚きの安さです(“100グラム当たり”じゃないですよ、お間違えなく!)。「人の数より牛の数のほうが多い」とも、「牛肉が主食」とも言われるパラグアイのこと、肉売場で商品の受け渡しを見ていると、みんなキロ単位で注文し、グラム単位で買って行く人など、まったくいない様子です。

←左上は鶏肉の値段

牛肉は、塊肉以外にひき肉が2種類ほど売られているものの、日本で最もポピュラーな薄切り肉がありません。いちばん薄く切ったものでも、厚さが5~10㎜ほどと、大変ぶ厚いのです。こちらは牛肉が安いと聞いていたので、「よし、パラグアイへ行ったら、毎日しゃぶしゃぶやすき焼きを飽きるほど食べるぞ」と思っていましたが、普通のスライスすらないのに、しゃぶしゃぶ用の超薄切りなど置いているはずもありません。パラグアイでは、肉は塊のまま焼いて切り分けて食べるか、小さく切って煮込み料理などに使うのが一般的のようです。

以前、こちらでお会いした日系人の女性の方に、「言葉がわからないので、お肉の対面販売はニガテなんです」ともらした際、「ロミート(lomito=ヒレ肉)1本買うのがいちばん簡単よ。あれぐらいなら、すぐ食べちゃうでしょ」とのアドバイスを頂きました。何でもヒレ肉は切り売りしていないのだそうですが、あの・・・、ヒレ肉1本って、何キロぐらいあるんでしょう?? 情けないことに、この冷蔵ケースを見てもどの部位のお肉かはおろか、塊のままでは牛肉か豚肉かの見分けすらつきません。

「あ~あ、日本のスーパーみたいなパック入りがあればなぁ・・・」と思っていたところ、あるスーパーで見つけたのが上の写真の商品です。牛肉の他に豚肉のパックもあるのはいいのですが、結局これも塊のままで、しかも1パックの量がハンパじゃなく多いのです(これで大体1㎏入り)。2人でこんなにたくさん食べられるはずもなく、そんなこんなで、せっかく牛肉の安い国に来たにもかかわらず、残念ながらほとんど買わずに過ごしてしまっているワケなのです。 【パラグアイで買うお肉(後編)へ続く】


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メルカード・クワトロ [アスンシオン点描]

ここ最近、アスンシオン以外の観光地の紹介が続いたので、今日はアスンシオンの観光名所について書いてみようと思います。ここアスンシオンにも、少ないながらもいくつか見所がありますが、私の生活にいちばん密着しているのが、アスンシオン市民の台所とも言える市場、"Mercado4"(メルカード・クワトロ)です。

セントロ(市の中心街)から歩いて15分ほどのところにあるメルカード・クワトロは、通りに囲まれた三角形のエリアで、数棟のビルと、おびただしい数の店舗と屋台が寄り集まったできた常設市場です。野菜や果物、肉などの生鮮食料品をはじめ、衣料品や靴はもちろん、電器製品から、ウズラやモルモットなどの家畜やペットに至るまで、およそ生活に関係するものは何でも売られているようです。周囲をぐるっと歩くと30~40分ほどかかる広い敷地は、青果のエリアや靴のエリア、洋服のエリアなどに分かれており、そのうち、青果のエリアを写したのが上の写真です。屋根はなく、頭上に穴だらけのシートが張られています。

 

お肉屋さんは、一応建物の中に集まってはいますが、日本の清潔なお肉屋さんとはまったく異なり、ハエがぶんぶん飛んでいて、牛肉などは原形を留めたまま鉤からベローンと釣り下がっていますし、豚のアタマや、羽をむしったままの鶏なども売られています。牛の内臓でしょうか、何かぬめぬめとした固まりをあふれんばかりに積んだ手押し車が行き交い、ちょっとヤバいニオイがどこからともなく漂ってくるのもご愛敬という、神経質な人にとっては拷問とも言える雰囲気に満ち満ちています。魚を扱うお店も何軒かあるものの、パラグアイは内陸国なので、売られているのはヒゲの生えた淡水魚ばかり、いったい何の魚なのか、全く見当がつきません。右上の写真のお店はビルの中の一軒ですが、建物の外では、ホウロウの洗面器に魚を入れて、通路で商いをしているおばちゃんもいました。

 

びっしりと軒を連ねる屋台の中には、この市場で働く人や、買い物客を当て込んだ飲食店も数多く見られます。どこのお店も、ホットドッグやハンバーガーのようなものや、焼いた肉やソーセージなど、その場で簡単に食べられる軽食がメインのようです。私も一度は食べてみたいのですが、衛生状態はやはり今ひとつのようで、見るからにおなかを壊しそうなムードがビリビリと伝わってきます。

このメルカード・クワトロの内部は、まるで迷路のように入り組んでいて、最初はちょっとコワイ印象があったものの、普通に買い物をする分には、キケンなことは全くないのだとか。「確か日本にも、こんなところがなかったっけ?」と思っていたところ、先日、来日経験のある日系人の方から、「東京の御徒町にある、アレ、何て言いましたっけ・・・。あの、メルカード・クワトロみたいな所・・・」と言われて、やっと気づきました。面積はずっと広く、もっと雑然として、はるかに不衛生ではあるものの、確かにアメ横の、あの雰囲気にそっくりです。なお、もちろん私は見たことがありませんが、戦後の“ヤミ市”というのも、こんな様子だったのではないかと想像されます。

値段はものによって様々で、スーパーで買うより安いとも高いとも言えませんが、野菜や果物の鮮度は、もしかするとメルカードのほうがいいかもしれません。メルカードは宿から歩いて10分足らずのところにあり、近所のどのスーパーよりも近いので、ときどき中を覗いてはみるものの、やはり言葉が通じなくても買い物のしやすい、レジのあるスーパーをつい利用してしまっています。このメルカードで毎日必要なものを“値切って”買い揃えるには、相当の勇気と根性としたたかさが必要となりそうです。


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パラグアイで見る選挙 [アスンシオン点描]

最近、ここアスンシオンでよく見かけるのが、上の写真のようなにわか仕立ての選挙事務所です。「すわ、大統領選挙か?」と色めき立ちましたが、そうではなく、パラグアイの与党であるコロラド党(赤党)の党首選挙なのだと聞きました。

日本で言うところの“選挙カー”らしきものも目にしますが、候補者名のシールを貼ったポンコツカーに支援者がわんさと乗り込み、窓から身を乗り出したり、荷台で旗を振り回したりして、大変お行儀が悪いです。そして、日本では非常に一般的な、「××町の皆さま、○山△男、○山△男でございます」というアナウンスは一切なく、その代わりかどうか、何だかよくわからない音楽を大音量で鳴らしています。しかし、みな結構なスピードで走り去ってしまうため、うるさいのもほんの一瞬で、ほとんど苦になりません。見るからに何とも陽気で、日本のあのノロノロ走る選挙カーとは似ても似つかず、どちらがよりアピール性があるかと訊かれると答えに窮しますが、やはり国民性や考え方に大きな違いがあるのだなと思わされます。

先日の午後、遠くの方からサンバのリズムが聞こえ始め、それがどんどん近づいてきたと思ったら、宿の向かいにある役所の前で、ひときわ大きな音を立て始めました。旦那が「マーチングバンドか?」と言うので、まさかそんなものがいきなり来るはずがないだろうと思い、様子を見に行った私の目に映ったのが、下の写真の皆さんです。どうやらこれも応援活動の一環らしく、その場でタイコを叩き続けること約20分。その間、辺りにはサンバ調の陽気なリズム鳴り響き、時間が長かった分、これは相当やかましく感じられました。

でも、何だか最近すっかり静かになったなぁと思っていたら、先日の日曜日に投票が行われ、既に選挙結果も出たのだとか。現職の大統領であり、昨年10月に来日して小泉首相とも会談したニカノル・デュアルテ氏(上の写真、下の写真ともに NICANOR の名前が見られます)が圧勝し、コロラド党の党首に選ばれたのだと聞きました。しかし、まだ選挙ポスターやシールの多くが貼られたままで、お祭騒ぎの名残が街のあちこちに漂っています。この街が、いつも通りののんびりとした落ち着きを取り戻すには、もう少し時間がかかりそうです。


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オリンピック恨み節 [アスンシオン点描]

これはまったくホテルのせいでも何でもないことを前置きした上で、今日ばかりはちょっと愚痴を書かせて頂きます。

今、日本ではトリノオリンピック、特に女子フィギュアスケートの話題で持ちきりのことと思います。昨年12月に日本を離れる際、こちらでNHKの海外向け国際放送(「NHKワールドTV」と「NHKワールド・プレミアム」)が見られることは既に確認済みだったので、私も当然、パラグアイでオリンピックの中継が楽しめるものと思っていました。ところが、アスンシオンに着いて間もなく、NHKのニュース番組ではスポーツの国際試合の話題になると、「放送権の都合によりご覧いただけません」という字幕のついた静止画に切り替わってしまうことに気づきました。どうやらNHKは日本国内で放送する権利しか持っていないようで、シャラポワも宮里藍ちゃんも、フィギュアスケートの高橋大輔も、国際試合の様子はみ~んな静止画。イヤ~な予感がしたのは、このときが最初でした。

トリノオリンピック開幕が近づくにつれ、この「NHKワールドTV」では、「トリノオリンピック関連の映像は、日本と同じ条件でご覧頂くことができません」とのスポット案内を頻繁に流すようになりました。「じゃあ結局のところ、どの程度見られるの?」と不安に思っていましたが、蓋を開けてみたらヒドイもので、実際は1日に数回、『速報トリノ』『トリノハイライト』という4~5分間の番組が放送されるだけ。それも順位やタイム等の結果リストを競技別に見せるのがメインで、たまに静止画(写真下参照)が、そして、ごくごくまれに動画が数秒混じるのみで、中継は一切見ることができません。

 (もちろん静止画です)

「でもNHKが入るのなら、通常のニュース番組内のオリンピック関連映像は見られるのでは?」とお思いのあなた、なかなかスルドイですね。ところがどっこい、オリンピック開幕前までは、日本で放送されている時間にライブで見ることができた主要ニュース番組も、オリンピック開催期間中は日本での放送終了後、オリンピック関連の部分をカットした「NHKワールド向け編集版」を別に作成し、そちらを流すという手の込みよう。編集をしないと、静止画で対応する部分があまりにも長くなってしまい、さすがに不自然だからだと思われます。

もうNHKは諦めて、スペイン語放送のスポーツ専門チャンネルESPNをつけてみたところ、ちょうど「ビリヤード選手権」の真っ最中。時間を変えてまたつけてみると、今度は何と“ポーカー”です。あの、カードゲームのポーカーですよ? ポーカーってスポーツだったんですか!? 「そんなのやってる場合じゃないッ!」と、もう怒り心頭です。これがもしウィンタースポーツの盛んな国だったら、自国のテレビ放送でいくらでも試合中継が見られるでしょうし、南米でもブラジルやチリ、アルゼンチンなど、トリノオリンピックに選手を送り出している国であれば、少しは試合の様子を取り上げるだろうと思います。しかし、ただでさえサッカー以外のスポーツに全く興味を示さないパラグアイ国民、ウィンタースポーツなんか、超どーでもいいみたいです・・・。「オリンピック開催中は、日本を離れてはいけない」というのが、今回のパラグアイ滞在中に得た教訓となった次第です。

部屋でインターネットが見られるおかげで、大体の試合結果は把握できていますが、それにしても残念なのが、ジャンプ原田の失格ですね。原田選手のことは、あの「世紀の失速ジャンプ」以来応援していただけに、日本で中継を見ていたら、マジで落ち込んでご飯がノドを通らなかっただろうと思います。ホントにもう、長野で引退すればよかったのに・・・。どこだったかのスポーツ新聞のHPで、「勝っても負けても絵になる男、原田」と書かれていたのを目にしました。典型的な二枚目じゃ全然ないのに、不思議ですね。ホントにその通りだと思います。

先日帰国したようですが、どんな顔をしていたのかと思うと気の毒で、こればっかりは見ないで済んでよかったのかもしれません。しかし、帰国した原田選手、「4年後のバンクーバーも、その次も目標に入れたい。オリンピック好きですから」なんて、のたまったんですって!? お願いですから、もうこれ以上国民をヤキモキさせないでください。というか、あなたの奥さんが気の毒です。これだけいろんなことがあったのに、「オリンピック好きですから♪」と言えるなんて、相当ぶっとい神経をしているんでしょうね。4年後にまたヒヤヒヤさせられるのかと思うと、今から何だか不安でならず、こっちの神経の方が早々に参ってしまいそうです。


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ハチドリ(後編) [アスンシオン点描]

【ハチドリ(前編)から続く】 ハチドリは南北アメリカ大陸と西インド諸島のみで見られる鳥で、最も小型なもので全長約5㎝、大型のもので全長約21㎝とのこと。花の蜜や昆虫をエサとし、ホバリングによって空中にとどまり、花の蜜を吸う姿が有名ですが、ハチドリは飛びながら後退することも可能で、ホバリングをする鳥の中で後退飛行ができるのは、このハチドリの仲間だけなのだとか。小型種ほど羽ばたきが速く、多いもので毎秒70~80回。その反面、脚が大変弱く、地上に降りて歩くことができないため、水浴びも雨の中を飛びながら行っているとのこと。小さな体で活発に動くのでエネルギーの消耗が早く、10~15分に1度は餌をとらなければいけないのだそうです。なお、小さい種類のハチドリは、あの昆虫のカマキリに捕食されるのだとか! どれほど小さいか、これで想像できるのではないかと思います。

実際に飛んでいるところを見ると、ビビッ、ビビッという羽音とともに花から花へ瞬時に移る姿が大変せわしなく、また、人が近くにいてもさして気にしない様子なのが、鳥というより、やはりハチなどの昆虫を彷彿とさせます。ホバリング中は、常に目にも留まらぬ速さで羽ばたいているので、肉眼では羽は止まって見えず、何十回とシャッターを切った中で羽を広げた様子が写っていたのは、掲載した2点を含む、ほんの数枚だけでした。(上の写真のバックに写っているのは、アスンシオン日本人会の運動場に隣接した、霊園の墓石です。)

動物図鑑に載っているような、色鮮やかなアップの写真を撮りたかったのですが、なにぶん対象が小さく、2メートルほどしか離れていないのに、写真に収めるとこの小ささになってしまいます。私の写真では細部がまったく見えませんので、実際のハチドリの姿については、美しい写真を満載した、コチラ↓のHPをご覧頂ければと思います。
http://www.hummingbirds.net/album.html


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ハチドリ(前編) [アスンシオン点描]

上の写真は、先日の日曜日、アスンシオン日本人会の運動場で撮った、ハチドリの写真です。なにぶん小さい鳥で、これ以上画像を小さくすると、どこにいるかも分からなくなってしまうので、今回は特別に大きな写真を載せてみました。この写真では全くその面影もありませんが、光沢のあるエメラルドグリーンの、大変きれいな鳥でした。

初めてパラグアイでハチドリを見たのは、昨年の9月、場所は「ホテル内山田」の中庭でした。ブーゲンビリアの花の下を通ったとき、ブンッという羽音とともに、何かが耳元をかすめて飛んでいき、「ん? ハチ? いや、蛾かな・・・?」と目で追った視界の先に、花の蜜を吸いながら飛ぶ、一羽のハチドリがいたのです。パラグアイにはハチドリがいると聞いてはいたものの、まさかこんな町中で見られるとは思ってもいなかったため、大変驚きました。また、私は子供のころ鳥が好きで、鳥類の図鑑を眺めては、「“世界最小の鳥、ハチドリ”かぁ・・・。見てみたいな~」と夢見ていた記憶があるだけに、実物の生きた姿を初めて目にし、大変興奮したのを覚えています。大きさは、くちばしと尾を除いた胴体の部分が、ちょうど私の人差し指1本くらい。初めて見た印象は、鳥というよりほとんど虫、いや、よくできたオモチャのようでした。

ホテルに勤めているパラグアイ人女性に訊いてみたところ、スペイン語で「ハチドリ」は、「花(flor) をつつく(picar) もの」、つまり "picaflor"(ピカフロール) というのだそうです。なお、パラグアイの先住民の言葉、グァラニー語では "mainumby"(マイヌンブ)と呼ぶのだと教わりました。

なお、「鳥好き」で思い出したので、余談までに書かせてもらいますが、子供の頃から実際に就職するまで、「将来なりたいもの」がひとつもなかった私が、小学校の卒業文集で、お決まりの「将来の夢」について書かねばならなくなり、悩んだ挙げ句に選んだのが「“日本野鳥の会”の人」でした。「それは職業ではない」というツッコミが先生から入ったものの、だからといって「お花屋さん」や「保母さん」など、かわいいウソが書けるほど素直な子でもなかったので、結局そのまま載せてもらった記憶があります。なお、念のためお断りしておきますが、私は日本野鳥の会に入ってもいなければ、入っていた事実もありません。子供の頃の気持ちのまま育っていれば、あの“黒田清子さん”のように、今ごろバードウォッチング用のフィールドスコープをかついで、野山を歩いていたかもしれませんね。 【ハチドリ(後編)へ続く】


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ヒートアイランド現象 [アスンシオン点描]

上の写真は、今日の夜8時頃、宿の4階にある部屋から撮った、夕焼けの様子です。ここのところずっと晴天続きで、7時を過ぎると、毎日のように空が美しい茜色に染まります。しかし、雨はもう10日近く降っておらず、本日の最高気温は38℃。日を追うごとに、どんどん暑くなっていくような気がします。

先日、大通りの交差点に設置された温度計の「42℃」という表示を見て、「おおっ! キテるな~」と感心しましたが、ありましたありました、さらに上をいくものが・・・。下は、こちらパラグアイの全国紙 "abcCOLOR" のHPから拝借した写真で、セントロから車で20分ほど走ったところにある、長距離バスターミナル付近の温度計を写したもの。「日陰に設置されていないので、最高気温の正しい数値とは言えない」との但し書きが加えてあったものの、少なくとも撮影時、この地点での温度が50℃だったことに間違いはないようです。

"abcCOLOR" のHPによると、コンクリートやアスファルトの多い市の中心部や、交通量の多い特定の場所は、緑の多いエリアや川沿いの地域に比べて、8~10℃ほど気温が高くなる傾向にあるのだとか。計る地点によって、実際の最高気温との間にこれほど大きな差が生じるのは、「こんなド田舎の街で」と意外な気がしますが、東京でもおなじみの、あの「ヒートアイランド現象」によるのだというのですから驚いてしまいます。

それでも、あのモワッという熱気を帯びた、東京の夏の暑さと比べて、比較的過ごしやすく感じるのは何故なのでしょうか。東京で37℃なんて言ったらもう殺人的暑さで、外へ出るのもキケン、熱中症患者続出、救急車出動、といったところでしょうが、こちらでは38~39℃の猛暑の中、暑さの苦手な私でさえ、近所のスーパーまでの約25分の道のりを、せいぜい汗をかく程度で、難なく往復できてしまいます。湿度を見ても、CNN.com のデータでは、今日は81%とのことですから、決して低くはないですよね? 別にパラグアイに来たからといって、いきなりヘソ出して歩いているワケではないので、やはり暑さを感じさせる要素のうちの何かに、違いがあるのだろうと思います。

なお、天気予報では、明日以降からまた雨が降り、最高気温も34度くらいまで下がるだろうと伝えています。アスンシオンでは、人も植物もみな、久しぶりの気持ちいい雨を、今か今かと待ちわびています。


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路線バス [アスンシオン点描]

 

アスンシオンはここ数日、最高気温が37~38度という猛暑が続き、歩いて25分ほどのところにあるスーパーへの毎日の行き帰りも、少々しんどくなってきました。そこで最近、徐々に利用するようになってきたのが、上の写真にあるような路線バスです。

地下鉄はおろか、鉄道そのものが走っていないパラグアイでは、バス路線が非常に発達しており、アスンシオン市内だけでも数社のバス会社がある模様です。路線番号は50番台ぐらいまで見かけますが、通し番号になっているのかどうか、少々怪しい感じもします。上の写真は2枚とも、宿の近くを走っている21番のバスを写したもの。右のようなボンネットタイプのバスも、バリバリ現役で頑張っています。なお、行き先表示のところに書かれている "LINEA" は、英語の "line" の意味だそうです。

街を歩いていると、「ここ、バス通りだったの?」と驚かされるような、何てことのない住宅街や狭い通りを走ってくるバスを目にします。市内のあちこちを、それこそ網の目のようにカバーしているようですが、不便なことに路線図といったものが存在せず、どこで曲がるか見当もつかないので、「とりあえず来たものに乗ってみる」なんて無鉄砲なことはできるはずがありません。乗りこなせれば便利なのでしょうけれど、とりあえずは目的の方向へ行くバスの路線番号を覚え、それ以外のバスには乗らないようにしています。市内の路線バスの料金は一律2100Gs、日本円で40円ぐらいです。

料金は安いですが、「車体が古い」「道が悪い」「運転が荒い」の三拍子が見事揃っているので、ハンパじゃなく揺れます。座っていても、椅子の上で身体が宙に浮く瞬間があるくらいですから、つかまっていないと、とてもじゃないですが立っていられません。下の写真に写っているように、車内にはつり革はなく、天井近いところに手すりが数本あるのみです。しかし、バスはなぜかベンツ社製が多く、ドイツ人向け仕様になっているのか、身長164.5㎝の私がギリギリ握れる高さにあり、大揺れに揺れる中、つかまっているだけでも大変だというのに、降りるためには手すりのさらに上に渡してあるヒモ(写真の右上に写っています)を引かなければならず、これには毎度ドキドキさせられます。

パラグアイへ来た当初、バスの車中でカツアゲ(というか車内強盗?)が横行しているらしいという噂を耳にし、旦那と二人で数回乗ってはみたものの、「そんなコワイものに一人で乗れるか」と思い、どこへ行くにもひたすら根性で歩き通していました。しかし先日、スーパーの帰りに突然の雨に見舞われ、意を決して乗ってみたところ安全であることがわかり、それ以来、荷物の重いときや、あまりにも暑いときなどに、しばしば利用しています。このバスひとつとっても、日本とはまったく違う部分が他にもたくさんありますので、それはまた別の機会にご紹介したいと思います。

 


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田舎の日曜日 [アスンシオン点描]

日曜日の夕方は、野球の練習に参加する旦那とともに、アスンシオン日本人会の運動場にお邪魔するのが、最近の週末恒例のイベントとなっています。宿から車で30分ほどのところにある、この運動場の周囲は民家もまばらで、あちこちで牛や鶏などが放し飼いにされ、どこか懐かしいような農村風景が広がっています。市の中心部からわずか十数キロ離れただけで、こんな田舎になってしまうあたり、さすがパラグアイは一味違います。

運動場で車を降りた途端、いつも耳に飛び込んでくるのが、周りの家々から大音響で流れてくるラジオの音です。見渡してみると、人々は思い思いの音楽を鳴らしながら、鶏や犬の走り回る庭に出て、のんびりとした午後のひとときを過ごしている様子でした。

下の写真は、運動場近くの民家の庭を撮ったものです。それにしても、何をそんなに熱心に見ているのでしょうか? 「部屋に置いてあるテレビのサッカー中継」といったところが一番ありそうなセンですが、当人たちがいたってマジメな分、見ていて何だか可笑しくなりました。こちらは今、夏なので大変日が長く、8時くらいまで明るいのですが、この写真を撮った7時過ぎにはすでにラジオの音も消え、田舎の町を涼しい夕風が吹き抜けていました。


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