パラグアイ再々訪 その６（ブエノスアイレス発～アスンシオン到着）

ブエノスアイレス－アスンシオン間で今回利用するのは、「TAMメルコスール航空」という名の、アスンシオンをハブ空港とするパラグアイのナショナルフラッグ。設立当初はパラグアイ国営の航空会社だったのが、1996年にブラジルのTAM航空に買収され（パラグアイ政府も未だ5.02％の株式を所有している）、TAMグループの一員になった際、現在の名前に変わったようです。「メルコスール」というのは南米共同市場、一言で言うと“南米版EU”（EU＝欧州連合）のようなもので、メルコスール加盟国・準加盟国の地域内を就航していることなどから、この名がついたのではないかと思います。南米内でしか飛んでいないTAMメルコスール航空に対し、本家ブラジルのTAM航空は、アメリカはニューヨーク、マイアミの他、パリ、ロンドン、ミラノへの運航もあるのだとか。TAM航空とTAMメルコスール航空の機体デザインはほぼ同じで、白地に赤で“TAM”のロゴが入ったもの（2007/4/26 の写真参照）。どちらとも、日本ではお目にかかれない航空会社です。

ゲート前で搭乗開始を待っていたとき、ふと近くの電光掲示板に目をやると、アスンシオン行きTAMメルコスール航空705便に“DELAYED”（遅延）の文字が表示されているではないですか。「ヤバイな～、これが欠航になったら、今日はもうアスンシオンへは行かれないよ・・・。うう、今回は2週間しか滞在できないのに・・・」という不安半分、「あ、でも今夜一晩、ブエノスアイレスに泊まるっていうのもイイかも♪」という期待半分の気持ちで、「まぁ、どっちでもいいや」とゆったり構えていたら、いきなり私の名前で呼び出しアナウンスが流れ、「搭乗カウンターまで来るように」との指示が。慌ててカウンターに出向いて搭乗券を見せると特に問題はなかったようで、すぐ無罪放免となったのですが、一体なぜ、100人近い乗客の中で私だけが呼び出しをくらったのでしょう？　日本の旅行代理店経由で購入した航空券がアルゼンチン航空（TAMメルコスール航空とのコードシェア便）のものだったからか、それともリコンファームしていなかったからか、はたまた国際線の乗継ぎ客は私だけだったのか？？　残念ながら、これは今もって不明です。（どうして呼び出されたのか、訊ねるだけの度胸も語学力もなかった・・・）

その後まもなく搭乗が開始され、TAMメルコスール航空705便は予定より1時間近く遅れてエセイサ国際空港を離陸。ブエノスアイレス上空（写真上。市街地の上に見えるのはラプラタ川、対岸はウルグアイ）を通過し、ほぼ真北に位置するパラグアイの首都アスンシオンを目指します。ブエノスアイレス－アスンシオン間は約1100㎞（東京－稚内間とほぼ同距離）、所要時間わずか1時間50分の空の旅です。

写真上は、TAMメルコスール航空の機内の様子。こちらはエアバスA320です（当然ながらジャンボ機の所有はナシ）。TAMメルコスール航空はこれまで2度ほど利用したことがありますが、使用機材が割と新しく清潔感があり、頭上に設置された小さい薄型モニターが何だかかわいらしいので気に入っています。客室乗務員も、たまに「特殊メイクか!?」と思うほど厚化粧な人がいたりするものの思わず女の私までもが目を奪われるような美人揃い、そして皆スタイル抜群（写真の女性も大変キレイな人でした）。アメリカン航空やコンチネンタル航空などの米系航空会社では貫禄のあるオバサマCAが多いのに対し、こちらTAMメルコスール航空ではオバサマ地上係員は見かけても、客室乗務員はなぜかうら若きセニョリータのみで完全統一。その辺は、日本の航空会社と少し似ているように感じました。

↑こちらが機内食の写真。厚さ3cmくらいの牛肉が出てきた！　さすがパラグアイ、「人の数より牛が多い」「主食は牛肉」と言われるだけのことはあります。ちなみにメインは選べません。

弱小航空会社と侮るなかれ、TAMメルコスール航空の機内食は割としっかりしていて、基本的に野菜は少なめながら、これまで特にハズレに当たったことはありません。というか、たった2時間弱のフライトで、こんなちゃんとしたご飯、出す必要ないと思うのですが・・・。

アスンシオン上空で夕暮れを迎え、最終目的地シルビオ・ペティロッシ空港に着いたのは、辺りもほとんど真っ暗になった現地時間の17:30過ぎ。到着ロビーにて、一足早くアスンシオン入りしていたダンナと2ヶ月ぶりに対面し、あとは一路、毎度お世話になっている「ホテル内山田」を目指します。成田－NY間約13時間、NY－ブエノスアイレス間（ヒューストン経由）約16時間、ブエノスアイレス－アスンシオン間約2時間、〆めて片道約31時間の長い長い空の旅は、これにてひとまず幕を閉じました。